第3回 データサイエンス特別授業~「似ている」を科学する~

北九州市立大学 中尾泰士教授による「データサイエンス特別授業」

全3回シリーズの「データサイエンス特別授業」です。最終回となる第3回目のテーマは 類似度と学びのスタイル。今回は、AIにも使われる「コサイン類似度」を体験しながら、自分の学習スタイルを知り、データで「似ている」を考える学びが展開されました。

【経験学習サイクルを知る】

授業の導入では、ハーバード大学のコルブ教授が提唱する「経験学習サイクル」から始まりました。

  • 具体的な経験 → 内省 → 教訓 → 実践
    という4つのステップを繰り返すことで、経験を成長の糧にする考え方です。

生徒たちは「学びのスタイル」チェックシートに回答し、自分がどのタイプに近いかを確認。感覚派?思考派?それとも行動派?自分の学び方を知ることで、学習効果を高めるヒントを得ました。

【「似ている」を数値で表す:コサイン類似度】

次に取り組んだのは、ベクトルを使った「類似度」の計算。

  • 各自の回答結果を数値化し、4次元ベクトルとして表現
  • Excelでベクトルの大きさと内積を計算し、cosθ(コサイン類似度)を求める

この方法は、AIのレコメンド機能や顔認証技術でも使われる重要な仕組み。生徒たちは「自分に最も似ているのは誰?」をデータで探しながら、数学と情報のつながりを体感しました。

【データから広がる応用】

JR各社のキャンペーン戦略を例に「推論」や「ベクトルの向き」の考え方も紹介。さらに、AIやビッグデータの世界で使われる「類似度」の応用についても触れ、データサイエンスが社会のさまざまな場面で活躍していることを学びました。

【まとめ】

第3回では、

  • 自分の学習スタイルを知る
  • ベクトルと類似度を計算する
  • AIや推論との関係を理解する

という内容を通じて、「データで人やモノの関係を考える力」を養いました。3回にわたる特別授業を通じて、生徒たちはデータサイエンスの基礎と、その社会的な意義を実感しました。

【シリーズを通して】

第1回「分布と可視化」
第2回「相関関係と予測」
第3回「類似度と学びのスタイル」

この3回シリーズは、データを「見る」「分析する」「比較する」力を育てる実践的なプログラムでした。今後も、こうした学びを通じて、未来を切り拓く力を育んでいきます。